音の温度

2004年11月29日
 ここ最近カリフォルニアは気が狂ったかのように寒いです。リビングルームを寝床としてる私には、こうやってスタジャンと毛布にくるまってG4に向かってる間も、膝が震えまくってます。それでもタンクトップを着ている私の友人が風邪でもひいたのか?ときいてくるのはいつものことです。

 気温と言えば、音を表す言葉として、寒いやら温かいという言葉が使われます。アナログテープに通すと音が温かいとか、YamahaO2Rは音が寒いなど言う人います。これは音の太さの別表現でもあり、なぜデジタルが寒いかというと、アナログと比べ、低音が増幅されてないからであり、むしろ、かなりフラットな状態(もうしくは高音が増幅された状態)で音を記録しているようです。先日、タスカムのデジタルテープレコーダー、DA-98、Pro-tools HD、2inchで音の聞き比べなるものをしてみたところ、それぞれ、DAが中域、HDがHigh高域、2inchが低域の周波数が強調されていたことを聴き比べることができました。

 でもなぜ2inchに低域が多く含まれていたのでしょうか。簡単に言うなれば、それらは必要悪であるノイズであり、アナログテープに含まれるバイアス、テープマシン自体からのノイズがそのような音を作り出します。それが温かい音と言われることもあるわけですね。では、HDに録った音にそのノイズを乗せる事で音は温かくなるのでしょうか?

 もちろんそれにトライしたPlug-insはありますが、残念ながら、決して近いとは言えません。やはり、空気と接点のあるテープマシンはそれこそ生き物で、常に音が変わってしましますからね。でも、かならずじも2inchが良いというわけではありません。特に高域の音はかなり曖昧になっているという印象があり、オーケストラなどの音源を空気ごと録りたいと思うときなどは、むしろHDの方が適しているのは言うまでもありません(もちろん、アナログの音が欲しければ別ですが)

 もし全てのメディアを使える状況があれば、ベースとドラムをアナログで録り、他の楽器はHDで録る、、というのが私のもっとも好みですね。またデジタルで録った音をアナログボードギアに通す事によっても音は劇的に変化する場合があります。例えば、M−boxのラインで録ったベースをADL1500のコンプ&リミッターに通し、まったくコンプをかけてない状態でも、音は”暖かく”なり太くるのがわかります。暖かい音が必ずしも良いというわけではありませんが、名器と言われるアウトボードにはそのような効能もあったりするわけですね。

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