サンプラーってなんでしょう?その名が示す通り、サンプルする機材です。特に最近、サンプラーはHip-hopやRapだけでなく、popやTechnoでも必須の音楽アイテムです。音楽の世界で示す’サンプル’とは、レコードやCDから音をサンプル(ハードディスクやスマートメディアに録音)することで、それを鍵盤やパッドにアサイン(割り振って)鍵盤を押す事で再生をします。

サンプラーの名を広めたE-muのSP1200を始め、特にHip-hopの世界では数々の名器と言われるものがあります。言わずと知れたAKAIのMPC2000、ハードディスクとCPUを搭載したハイエンドモデルのMPC4000などが有名ですが、アイディアは全く同じです。例えば、ドアが閉まる音をサンプルし、パッドにアサインし、パッドを叩くごとにドアの閉まる音が鳴るというわけです。しかし、なぜMPC2000が名器と言われるのかというと、その独特のMIDIアルゴリズム(処理方法)にあります。全てのシンセサイザー、サンプラーのクォンタイズ(演奏された音のビートを割り当てた音符のビートに最も近いものにあわす機能)は違う人間によってデザインされています。MPC2000とMPC4000で行われるMIDIのクォンタイズはある黒人によってデザインされており、その独特のビートを生みが好まれているため、人気があるわけです。

さて、前置きが長くなりましたが、ソフトウェアサンプラーとは一体なんなのでしょう。これまたアイディアはハードウェアのサンプラーと一緒なのですが、コンピュータ上で動きます。つまり、今までハードウェアにある、小さな画面の中で音をサンプルし、必要な長さにエディトし、アサインしていた手順を大きなパソコンのディスプレーで見ながら、簡単に、さらに効率よくできます。しかも、録音するメディアがハードディスクのため、その容量は巨大。簡単に管理し、鍵盤に割り振って、MIDIコントローラで操れるというメリットがあります。

パソコンの巨大な容量を使うことによって、更なる恩恵があります。実際に録音された、巨大なデータをサンプラーに入れ使えるということは、それだけ本物の楽器の音に近づけることができます。例えば、EASTWESTという会社が作ってるBosendorfer 290というサンプルはギガバイト単位の容量があります。しかし、その音はかなり美しく、シンセサイザーで作るにはとてつもなく難し作業を必要とされるでしょう。例えば、ストラディバリウスのライブラリーがあれば、大きな容量のサンプルされたライブラリをもつことによって、それをかなり近い形で再現できるというわけです。

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