いろんなマイクがあることをこれまで紹介しましたが、今回は皆さんが一番テレビで見る機会が多いと思われるワイヤレスマイクを語りたいと思います。なぜワイヤレスを使うのでしょうか?大きく分けて理由は2つです。
1. Freedom of Movement
2. Clean stage
1は説明の必要もないでしょうね。ケーブルがないおかげで自由にステージを動けるわけです。2はケーブルがステージ上から除去することができるということです。これは音楽のステージだけでなく、いろんな状況で大きなメリットになります。例えば、記者会見の時に、多くのテレビ局や出版社の人間が声を録ろうとしますよね。その時に、やはり10本以上のマイクから黒いケーブルがだらーんとなってる様子をお茶の間に見せたくないわけでありまして。音楽のステージでは、ダンスグループが踊る時の邪魔にならないようにとしても使われます。

ワイヤレスマイクを使用するにあたり、3つの機器が必要です。1つはマイク(もちろんですけど)。そしてトランスミッターとレシーバーです。トランスミッターはマイクがキャプチャーした音を電波でレシーバーに飛ばし、マイクと必ず繋がっています。レシーバーはトランスミッターから電波を受信し、そこからマイクパネル、プリアンプやミキサーとつながります。ここで電波と出しましたが、実はこれが少しややこしいのです。私はアメリカの状況しかわからないので、はっきり言って日本のことはわかりません。

アメリカでは電波の種類はVHFとUHFとあります。アメリカのテレビチャンネルで言いますと、VHFは1ch~13ch、UHFは14ch以上が使われ、テレビ局が使っている周波数は使えません。例えば、カリフォルニアの場合、7chはABCの番組があるため、174MHz~180MHz使用できません。8chはどのテレビ局も使用していないので、180MHz~186Mhzの間は使用可能です。もしテレビ局のあるマイクを使うと?マイクのトランスミッターのパワーは数mW。テレビ局のトランスミッターはアメリカ全土をカバーするほどの数GW。テレビの巨大な電波に負けてしまい、マイクの電波はトランスミッターに届きません。しかも違う地域に移動するとそれぞれのテレビ局の周波数があるため、前もって確認する必要があります。ワイヤレスマイクはくせ者なのです。

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